『バスケットボール戦術学2』刊行記念座談会

Bリーグ誕生から4年

戦術や手の打ちあいに関して

ヨーロッパとの差は

ほとんどなくなった

宮本 僕は東京に住んでいるんでアルバルク東京のブースターの方と活動したり、呑みに行ったりするんですけど、アルバルク東京のブースターの方ってバスケットボールを自分達でアップデートさせて楽しんでいるという印象があって、それがオンコートとオフコートのバランスが非常にいいんじゃないかなと。ルカ・パヴィチェヴィッチHCが行っている徹底するディフェンスであり、オフェンスのピック&ロールからの形であり、そのスタイルをブースターも学んで行こうという姿勢が連覇につながっているなと感じていて、言葉は交わしていないんですけど、バスケットボールを通じて、ブースターとクラブはしっかりとコミュニケーションをとれているんじゃないかなと、外から見ていて感じるんですけども、森さんいかがですか。

 

森 そういっていただけるのはありがたいですね。ルカHCが一生懸命やってきたことがブースターの皆さんにも伝わっているというのがすごくうれしいです。

 

前田 僕が向こうにいたのは2013、14年くらいですけど、まだ日本にはBリーグがなくて、すごく差を感じたんですよ。僕も何にも知らないゼロの状態で行っているんで、特にユーロリーグのチームなんかは、やることやることみんな読まれているんじゃないかというくらいの手を打たれるから、こっちは最終的に奇襲戦法に出るしかなかった。でもBリーグができて4年たって、最近ではそういった戦術とか手の打ちあいに関しては、ヨーロッパとそう差はないですよ。もちろん身体能力の差とか、高さとか、シュート力とかはまだまだありますけども。セットプレーであるとか、ディフェンスの種類とかに大きな差は感じなくなりましたよね。

 

ズボン 差が詰まってきた一番の要因というのは何ですか。

 

前田 ルカHCの功績は大きいですし、あとは協会のやっているS級コーチのライセンスも、ユーロリーグの現場でコーチングされている方がクリニックに来てくれたりだとかしているので。本当にヨーロッパの最先端のバスケットボールを包み隠さずに教えてもらえています。そこからヒントを得て、自分達でコーチが勉強する。相乗効果がでていると思いますね。

 

森 来てくれる外国人コーチの質はすごく高くなった気がしますね。

 

前田 FIBAからの推薦ということになってますけど、それなりのコーチがきてくれますからね。

 

宮本 これは聞きにくいですけど、ちょっとなっていう方がきたこともあったんですか。

 

前田 それはないですよ。アメリカ、ヨーロッパを問わず実績のあるコーチが来日しています。

 

宮本 よりトップレベルが来るようになったということですか。

 

前田 そうですね。なかなかあのレベルのクリニックは受けられないですよ。しかも期間が長い。1時間半、2時間くらいのクリニックっていうのはヨーロッパでもよくあるんですよ。でもS級のコーチライセンスって一人のコーチが5日間くらいやり尽くすので、かなりディープなことまで伝えてますね。

 

小谷 BリーグのHCたちも、S級ライセンスを暫定で3年間とられてるんですけど、単位習得後もS級の講習会に来たいっていうくらいですから。そのくらい欲しい情報であるといえますよね。

 

前田 僕がヨーロッパに行ってた時なんて、僕のいたドイツのチームなんて誰も知らなかったし、日本でそんな試合を見てる人なんて一人もいなかった。でも最近、マニアックな人が見たりしてますからね。

 

片岡 僕は今日も朝からMHP RIESEN Ludwigsburgの試合を見てました(笑)。2回連続でボール運びで相手のターンオーバーを誘っている場面に痺れました。ディフェンスのエンタメを見ているようです。一個はボールを運ぼうとする選手のコースにはいってピポッドさせてトラベリングで、その次、相手が抜こうとしたところをチャージングを誘っていました。スティールとかじゃなくて、自滅系のターンオーバーを2回連続、プロのレベルでボール運びでミスさせるのは至難の業です。すごい面白いチームで、前田さんとの出会いから、とても注目しています。

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