『バスケットボール戦術学2』刊行記念座談会

近年の傾向は戦術の二極化

同じ情報が基になっていても

アプローチは全然違う

小谷 手の打ち合いということでいうと、『戦術学2』ではオンボールスクリーンとオフボールスクリーンの組み合わせのところで終わっている。この後の手の打ち合いはどうなりますかね、物語を作っていくとしたら。

 

前田 今、ホーンズとか、スペインピックとか、ダイヤモンドとかある。今、コアなアライメントのセットプレーとかがあると思うんですよね。そこから発展していくというのも面白いかもしれない。ダイヤモンドでも結構な種類があるし、ダイヤモンドの入り方もいっぱいあるし、そこから発展していったときに、1と2で紹介したものが無数に入ってくる。そこで何を選択するか。

 

小谷 そういう意味ではもし『戦術学3』があるとしたら、手の打ちようがそこまでいって、手の打ちあいでは無理だから、次にプレス。そのプレスに対してどうするかっていう攻防のところかなって思いますね。

 

前田 フルコートのところは触れられるところではあるかな。

 

小谷 ハーフコートではやり尽くした、これ以上無理だってなって何をするか。それで相手がプレスできた、そこで、プレスアタックみたいな。

 

宮本 これは非常に無責任ですけど『戦術学3』を期待してもよろしいですか(笑)。書籍中でも触れられていましたが、昔はあれを使っていたというのが、何年後かには今は主流ではないみないなことになる可能性もあると思いますし、逆に原点回帰してこれを今、さらにアップデートしているというものがあるかもしれないですし。そうなると時代が巡るのに合わせて学びがより深まるというのは個人的には興味があります。

 

小谷 何年後かに“MORI”っていうセットができているかもしれない(笑)

 

森 なんですかそれは(笑)

 

前田 でもね、この本でスペーシングについて読んで、実際の試合ではどうなってんのかなっていうのを見るときはアルバルクを見るのが一番いいと思いますよ。

 

森 こだわってはいますからね。

 

前田 スペーシングのとり方と、進行方向に何人いるか、後ろに何人いるかというのを本と照らし合わせるとわかりやすいと思います。アルバルクの試合を見るとどういうディフェンスをしているか、これがこうかというのを見るのはいいと思いますね。あと僕は最近、ユーロバスケット2017をちょこちょこ見てるんです、スロベニアが優勝したあの大会もスペーシングがすごい。いろんなセットをするけど最後はシンプルなスペーシングになっているんで、参考になりますよ。オススメはスロベニア対ラトビア。この試合はラトビアがディフェンスをきれいにヘッジするんですよ、ショーハードして。で、チャージングとったりもしてるんで、そこだけでも勉強になるかなと思いますね。

 

森 最近、いろいろなチームを見ていて思うのは二極化しているなと思っていて、例えばピック&ロールの守り方だけでも、僕らもそうですし前田さんのいたジョン・パトリックさんのチームでもそうだと思うんですけど、何かに特化して徹底するチーム、ひたすらアグレッシブにハードショウをし続けるチームだったり、僕らだったら同じディフェンスをやり続けたりするんですけど、そういうチームと、毎試合、もしくは1試合の中でめちゃくちゃディフェンス変えるチームと。そういう現象がヨーロッパでも起こっていて、めちゃめちゃチェンジングするチームと、一つにコミットしてひたすらそれをやり続けるチームというのが二極化している印象はありますね。だからこれだけ戦術が情報としてある中で、ひたすら風呂敷を広げているチームと、その中で俺らはこれで行くんだというチームが完全に分かれているので、そこは知れば知るほど面白い。同じ情報を持っていても、とるアプローチは全然違うんだなということはいろんなゲームを見ていて思うところではあります。

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