『バスケットボール戦術学2』刊行記念座談会

言語化した書籍と映像が

どこかでくっつく瞬間を

味わってもらえたら面白い

小谷 この本を書くにあたって、自分自身楽しみだったのは、前田さんの頭の中にあることを知れるということ。それがこの本を書くときのモチベーションになった。その後、片岡さん、森さんに入っていただいて、さらにお二人の頭の中にあるものまで自分の中に落としこめた。

 

前田 最初に話しをいただいたときに、戦術系の本はあまりないのでやろうと話をもらったけど、全然イメージはわかなかった。だから結構、難しいんじゃないかなと思ったんだけどね。

 

小谷 こだわったのは戦術を羅列するだけにはしないこと。こうだからこう、何故、この戦術を使うかというのはやりたいと思っていましたね。

 

宮本 そういったことが、本文中の例えば「敏捷性のないビックマンがマークについた場合は~」みたいな、基本的に考えられるパターンを全て網羅していて、最後、これはオチではないですけど、マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントのようなスペシャルなプレーヤーがいたときは仕方がない、というようなところがあったりということですもんね。

 

前田 この本に書いてあることは本当にごく一部の基本中の基本。ハンドオフのところなんかも、ビックマン系がボールを持って、ペリメーター系がハンドオフでボールをもらいに来ているというアライメントになっているんですけど、ヨーロッパの試合を見たらPGがボールを持って、4番か5番の選手がハンドオフに来ているということがありましたからね。逆のパターン(笑)。

 

小谷 これは3巻も面白いのいけそうじゃないですか()。森さんもなんか面白いのないですかね。

 

森 一番最後の章にあった、組み合わせ系になると、本当に無限にある。前田さんがおっしゃったものでも、Bリーグでもガードが4番にハンドオフして、4番と5番のピックとか全然ありますからね。組み合わせになったら、それこそ無限にあると思います。一つのシリーズだけで一冊できるくらいの量になると思うので。だから『戦術学3』をお願いします小谷さん()。

 

前田 まずは読者がどんなものを欲しているのか調査するところから始めよう()。

 

小谷 僕は皆さんの頭の中をのぞけるのであれば是非()。

 

ズボン では最後にそれぞれこの本をどんな風に活用してもらいたいかということで閉めたいと思います。

 

片岡 私は現代社会に応じた有効的な使い方です。書籍、動画、指導現場のサイクルを良質にするための潤滑油として使っていただいて、それぞれのバスケをさらに楽しく、充実したものにというのが唯一にして究極の願いです。

 

森 コーチだったり、選手だったり、バスケに関わる全ての方にとって、困ったときに開けばある程度の手がかりや答えが提供できる本だったらうれしい。それこそ動画や試合を見て、これどうなんだろうって思ったときに、辞書的に活用できると思うんですよ。1から100まで順番に全部読むんじゃなくて、何かふとしたときに立ち返ってそこだけ読むということでも使えると思うので、いろいろな形で活用していただけたらうれしいですね。

 

前田 この本を読んだ後に、映像でリンクして欲しいなと思うんですよね。試合とか、映像とか見たときに、あっこれはあの本のあそこに書いてあったことだと。言語化した書籍と映像がどこかでくっついてくれたら、あっこれかって思う瞬間が、すごく楽しいと思うんですよ。それが誰かに言われてじゃなくて、自分で読んで、見て気づくというのが面白いので、是非、その瞬間を味わってもらえたらと思いますね。あと改めて読み返して思ったのは、目次だけみてもよくわかるんですよ。オフェンス、ディフェンスというのをずっと繰り返していくから、「スライドスルーによるスイッチせずにディフェンスを継続する」ってあったら、その次に「ディフェンスプレーヤーのひと手間を利用してスピード勝負をする」って、目次だけで攻防ができあがっているから、一度読み終わったら、目次を見返してイメージしてもらえたら面白いかもしれませんね。

 

小谷 この本を持って居酒屋に行って「他にこういう方法があるよね」とか、「オレだったらこうするね」とかいう感じで、戦術談義に花を咲かせてもらえたらいいなって思いますね。コロナが落ち着いたら読者の皆さんと是非、そういう機会を作りたいなって思っています。

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